三崎のアコウ(伊方町)
名称 | 三崎のアコウ(国指定天然記念物) |
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住所 | 愛媛県西宇和郡伊方町三崎 県道256号線沿い![]() |
お問合せ先 | TEL:0894-39-0241(町見郷土館) |
駐車場 | 有り |
アコウ樹
三崎のアコウは、1921(大正10)年3月3日、亜熱帯植物であるアコウの北限地域に自生し、巨樹であることなどさまざまな理由で、四国で初めて※国の天然記念物に指定されました。現在は三崎港フェリーターミナルから県道沿いに数十メートル進んだところに4本のアコウを見ることができます。ちなみに、大正10年に建てられた石碑には「内務大臣」と書かれています。歴史的価値のある立派な文化財といえるのではないでしょうか。
※四国内には同年月日付けで他にも指定されている天然記念物があります。
アコウは亜熱帯性の常緑高木で、クワ科の植物です。常緑樹なので冬でも緑の葉が生い茂り、指定から90年以上経った今でも元気な姿を見せてくれます。
近寄ってよく見てみると、数百本の木が絡まって1本の木を形成していることがわかります。これは、枝から「気根」という根を延ばし、空気中の栄養分を取り込みながら成長し、地面につくとこのような不思議な網目状の大木となるようです。
イチジクの仲間ということもあり、イチジクによく似た小さな実がなっていました。小さなイチジクに似た実には、たまに共生関係のある「アコウコバチ」というハチが中に入っていることがあります。
また、木の裏側にまわってみて見ると、電線の「がいし」が取り込まれてる様子が分かります。まわりの木々や石垣、電線などいろんなものに枝を延ばしていくようですが、間近で見ると生命力の強さや畏怖の念を抱かせる、そんな力強い木です。
この巨樹が年に一度、春先にドサッと葉を落とす時期があります。その時は、地域の皆さんやアコウを守るサポーターたちがトラック2~3台ほどの落ち葉を集めるそうです。これまで数百年と生き続けてきたアコウが今後何百年と生き続けていけるよう、多くの人が協力し、アコウを見守っています。