内子町地域おこし協力隊 濵田規史さん(八幡浜市)

──今回は、八幡浜市にあるシェアスペース「コダテル」を運営している濵田規史さんに、「コダテル」でお話を伺っています。

──さて、濵田さんにはこちらの「コダテル代表」としての取材だと思っていたのですが、いただいた名刺には「ミガクト」・・・?

 「コダテル」は施設の正式名称で、「MIGACT」という団体の代表になります。「MIGACT」の一事業として「コダテル」があります。

──その「MIGACT」とはなんですか?

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 個人事業主の屋号で「人と地域を照らす」という意味合いです。コダテル事業・コンサルティング事業・情報発信メディア事業などを持っていて、その中の一つとして「コダテル」というのがあります。

 コーポレートスローガンに「ひらめきは人と地域の未来に」という言葉を掲げていて、ひらめきというのを起点にして人と地域をよくしていこうというコンセプトでやっています。

──そして、肩書の部分にある「コミュニティライター」というのは?初めて見ました。

 ライターというのは、書くだけじゃなく「照らす」方のライターでもありたいと。この地域や人を「照らす」のが僕の使命だと思っているんです。人の輝くところ、子どもも大人も社会では真正面からしかその人を見てなかったりしますが、実は別の角度からライトを当ててあげるとめちゃくちゃ輝く、という人がいっぱいいるんです。もっと違う角度から光を照らしてあげて、輝くところを見つけてあげたい、それによってその人が自分の存在を自認してもっと前向きに生きられるようにサポートしたい、そういう意味でライターと付けています。

──濵田さんはそもそも、どちらのご出身ですか?

 生まれも育ちも八幡浜です。

 最初に就職したのは金融機関で、融資のお仕事をしていました。中小企業の方のお話を聞いたり新規で開業する方の支援をしたりしていく中で、金融機関だとどうしても土台が「お金を貸せるか貸せないか」の審査になってしまいます。しかし素敵な良いアイデアを持っている人をたくさん見てきて、そういう「種」を持っている人達を支援したいな、そういう場所ってないな、と思って作ったのがこの場所です。

──いつ頃から始めたのでしょうか?

 2018年の1月からはじめて、現在4年目になります。

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 独立を考えたのが33、4歳の頃で、「いやしの南予博」の事務局に出向していたころでした。そこで地域の人たちと思いをカタチにしていくという仕事をさせていただいて、お金じゃない世界で応援することの喜びや楽しさを感じたんです。その体験が独立の大きな後押しになりました。その頃の仲間も南予にコワーキングスペースってないよね、あったらいいねと賛同してくれました。

──「コダテル」はお一人で運営しているのですか?

 スタッフ2名とメンターといって利用者をサポートしてくれる応援者の方が3名います。
 利用者は、プログラム会員といって子どもたちを中心とした学びに来てくれる会員が20名程度、大人の利用会員が35~6名で、合計50名くらいです。 使い方は様々で、フリーランスの方が3割くらいで残りは会社員などで副業的に利用される方が多いです。日中に仕事利用されるよりは、夜にイベントや打ち合わせ、ディスカッションなどで使われています。貸事務所というよりは情報交換ややりたいことをここで実現に向かって企てている方が多いですね。

──やりがいはどんな時に感じますが?

 やっぱり会員さんの「企て(くわだて)」が実現した時ですね。最近この1年ほど応援していた会員さんのカフェがオープンしたんです。60歳過ぎの方なんですが、退職前にうちに訪ねてこられました。カフェ開業が長年の夢で物件もあるけど、どのようにすれば魅力的な店づくりができるかわからなかったので、応援してほしいと入会されました。その方はうちのプランのなかでも最上位のプランをつけて、毎月面談でアドバイスをしながらカフェ開業に向けてサポートをさせていただいたんですが、ロゴを作るところから、店舗の設定・動線、メニューの開発などサポートさせていただきました。

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みんなのくわだて

 「コダテル」は、アイデアの種の段階から面白がって育てていける場所でありたいと思っています。アイデアの段階ではフワフワしていて金融機関では難しいと思うので、それをカタチに育てて、お金を借りるまでのプランを立ててあげる、次につなげてあげるのがこの場所です。コダテルのキャッチコピーが「みんなで企てるヒミツキチ」。それぞれ組織の中では思ったことを口に出せないこともありますが、それを少し閉鎖的な空間でつぶやきやすい、口に出しやすい場所にしています。

 「くわだて&おこまり登録フォーム」というのがあって、会員さんがやりたいことをまず登録しましょう、シェアしましょうということをしています。声を上げた瞬間はすぐに反応はないかもしれないけど、残していくことで後々形になることもあります。声に出して計画して実践していくトレーニングでもあります。

──話は変わりますが「コダテル」の建物はとても素敵ですね。

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 築70年の空き家だった古民家をお借りして改装しました。1階がプログラミングを教えたり、ディスカッションしたり。2階は宿泊ができるスペースで、8畳の和室が2つあります。ご利用はワーカーさんが多く、お仕事しながら旅をされている方が多いです。一週間ここを拠点に仕事しながら観光もする、ワーケーションですね。

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 他にも2階には集中スペースがあり、こちらは高校生が勉強してたりしますね。1階はわりとガヤガヤしてしまうので集中したいときに使ってもらいます。また最近ではZOOMミーティングできるように離れに個室を作りました。


──そういえば、「コダテル」の名前の由来はなんですか?

 「ここから企てる」「一戸建て」「子どもが育つ」「育てる」などいろんな意味をこめています。またプログラミングも教えているのでアルファベットの「code」も入っていたり、「照らす」という意味も込めていたり。これは立ち上げる際にブランディングしてくれたデザイン会社の人と、八幡浜の居酒屋で話をしてる時に思いつきました。それまでは「向灘テラス」という仮称でやってたんですが、しっくりきていなかったので。

──子どもの頃の影響はありますか?

 子どもの頃家にパソコンがあって、パソコンを触るのが楽しいなと思っていて、触りだすとテキスト入れたり写真入れたり出来るようになって、すると自分の中で企画やイベントをするのが好きになって、小学校の頃に友達と「自主的企画グループ」というのを作って自分たちで運動会やイベント、プチ旅行を企画していました。そういったことが結構影響してると思います。

 あと、八幡浜高校に進学したのですが、現在も続いている商業研究部の「A★KIND」の立ち上げにかかわって、実は20年前の取材記事「ぴいぷる」の写真に出たんですよ。(八幡浜高校・商業研究部の回)
 この時に地域に根差した活動をさせていただいて、地域のことが好きになって見直すきっかけになりました。大学は県外だったのですが、多分この活動をしていなかったら地元に戻ってきていなかったと思います。大学時代もボランティアサークルに入ったり市民活動的なイベントを立ち上げたりしていました。

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──こういうお仕事だとお休みはありますか?どんなことをしていますか?

 定期的にはないので、自分でこの日と決めて休むようにしています。休みの日は普段つながってないとこにいくのが好きです。普段はかかわらない場所に車で行って、温泉などで無心になってます。「コダテル」の施設も無人でも自動で電気をつけたりすることができるようになったのでそういう意味でも楽になりました。

──今後、この「コダテル」はどのように変わっていくのでしょうか?

 地元だけでなく市外や県外の方ともつながってコミュニティ化していくのかなと思っています。あとは子どもたちが成長していく過程で大人とのつながりが出来てきているので、大人がやりたいことを子どもが応援し、子どもがやりたいことを大人が応援し、世代間交流が生まれればいいなと思います。

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 以前は貸事務所的なプランだったのですが、それは場所ありきになってうちらしくないと思ってやめました。伴走支援をしてほしい人や個別相談をしてほしい人、集団サポートや掲示板で悩みを投稿したい人、仲間を集めたい・作りたい人。プランを変えることによって、その会員さんが今企てようとしている人なのか、仲間を作りたいだけなのか、サポートが必要なのかが明確になって支援側からのサポートにも漏れがなくなりました。またこれで施設を使わないオンラインの人が使いやすくなりましたね。

 コロナ前は宿泊利用もありましたが、コロナ後は宿泊事業にはあまり力を入れてないですね。今後は力を入れていきたいと思ってます。

──これからの夢はありますか?

 僕のモットーとしているのが「誰もが心掻き立てる企てを起こせる社会をつくる」というテーマなので、みんながやりたいことを普通にして、実現しやすい社会になるように、「コダテル」は小さいですがそこからきっかけを作りたいな、と思っています。県外の人も含めて「企て」を持っている人に集まってもらえるようなコミュニティを目指していきます。もちろん海外の方も歓迎です。

──ありがとうございました。お話はものすごく穏やかでやわらかい印象でしたが、とても情熱がこもった内容でした。今後の活躍を期待しています!

濵田規史さん(八幡浜市)

MIGACT代表/コダテル代表

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