「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」実行委員会委員 國分 美由紀さん(八幡浜市)

──今回は2019年5月に八幡浜市で開催される「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」実行委員会委員の國分さんです。「八幡浜みなっと」でお話を伺います。

──実行委員会委員をなさっているということですが、実際にマーマレード大会で金賞を受賞なさったんですよね。そもそもなぜご自身のマーマレードを大会に出品しようと思ったのですか?

自分では美味しいと思って作っていましたが、その美味しいがどのレベルにいるのか知りたくなったんです。いつか金賞を取ることを目標に作り続けられたらいいかなと思って参加したんですが、販売開始から2年目の昨年(2017年)、初めて出品していきなり金賞をいただきました。

──初めてで金賞ですか!素晴らしいですね。

やはり指導してくださった先生のおかげだと思います。もともとスイーツを作るのが大好きでしたが、食べてもらうのは家族や友達、PTAのフリーマーケットぐらいだったので、商品化していく中、ただ好きというだけで世に出していいのかなと急に不安になったんです。

その頃に、1冊のジャムづくりの本に出会ったんです。数ある本の中でなぜかその1冊にものすごくひきつけられて、その本を書いた先生にメールをしていろんなアドバイスをいただいたんです。でもいざ自分の商品を世に出す日が決まった2週間くらい前に急に不安に駆られて、先生に直接お電話して事情を話したんです。「私はもうこの3日間しかありません、教えてくださいませんか」と。

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本になるといろんな方が読むので簡単にシンプルにまとめられているのですが、本に書かれていない細かいプロとしての技をどうしても知りたくてお願いしたんです。そしたら偶然にも先生のお子さんが受験前で仕事をキャンセルしていて、その3日間なら大丈夫だとおっしゃるので「じゃあ行きます!」と福井県まで教えてもらいに行きました。

──八幡浜から福井まで3日間・・・すごい行動力ですね。

そこでプロとアマチュアの違いというものをしっかり教えていただいきました。この福井の3日間がなければアマチュアのレベルでぐるぐると出口の見えない中で努力していかなければいけなかったと思います。先生が教えてくださったことが突破口となり、今では不安も取り払われ、頑張り方や目指すところがはっきりしたので、本当に感謝しています。

その後は「株式会社アトリウム」という私のアロマを取扱う会社で一般向けにマーマレードの販売を始め、現在は商品開発も行っています。

──マーマレードを商品化する前は、どのような会社だったのでしょうか。

私はもともとアロマセラピストで、香りをとり出して楽しむということを皆さんに提案したくてそれを仕事にしていたんです。アロマをしている方はみんないつか自分で香りを抽出したいと思うもので、そのチャンスが巡ってきて機械を購入して自分でできるようになったんです。いろんな植物から香りは取り出せるけれど、どうせなら愛媛だし八幡浜だし、柑橘に特化していこうと思ったんです。アロマの商品開発をすることで農家さんにも今までと違う柑橘の活用の仕方を提案できたら、多くの方に喜んでいただけるのかなと思って始めました。

──それがアロマからマーマレードへとみかんの活用の幅が広がっていったんですね。

みかんは捨てるところがないんです。香りは皮から抽出するのでそれ以外はいらないので、初めは皮以外は冷凍保存したり、ジュースを絞った後の皮をいただいたりしてたんです。果肉はジュースになるし、皮もジャムになるし、自分がもともと好きだったことだからやってみよう、ここで生かせると思ってはじめました。

──國分さんはずっと八幡浜にお住まいなのですか?

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アゴラマルシェ内の店舗

30年前に名古屋から主人の仕事の関係でこちらに引っ越してきました。

──え!愛媛のご出身ではないのですか!

そうなんです。引っ越す前、名古屋の本屋さんで地図を見てみると八幡浜にはスケート場も映画館もあって、こんな端っこの方に素敵!と思って喜んで来たら、人がいない・・・。玄関口の駅もがらんとしていて淋しくて、一週間くらい泣いて過ごしていたけど、でも住むととてもいいところで、買い物に行くと人から声をかけられるし、食べ物も新鮮で安いし、空気も美味しいし、海もきれいで透き通ってて、こんな素敵なところでのんびり子育てしたらいいなと思い、名古屋出身の主人にも「ここで永住しちゃう?」と話して、両方の親もこちらに呼び寄せて住んでいます。

──移住したのですか!それだけ八幡浜が魅力的だったんですね。

名古屋の中心部に住んでいたので子どもを育てる環境としては適していないなぁと思うところがいっぱいあって。八幡浜ののんびりした自然いっぱいの場所で過ごしてほしいと。子どもは都会に憧れるかもしれないけど、八幡浜を自分のふるさととして子どもの時のいろんな体験を大切にしてほしいなぁと思っていたんです。

──そんな八幡浜にどっぷりはまった國分さんの商品が置いてある「アゴラマルシェ」へ。金賞を受賞したマーマレードを見せてください!

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「ライム&ゆず」

こちらが2017年、2018年に受賞した「ライム&ゆず」マーマレードです。2018年はもう一つ「ゆず&桜」マーマレードも一緒に金賞を受賞しました。来年日本で世界大会が開催されるということが決まった後だったので、日本人にとって特別なものである「桜」を使ってアピールしたくて桜の塩漬けをいれました。

──「ライム&ゆず」にはハートが入っている!

ハートはライムの皮です。裏が出ても表が出てもグリーンになるよう手作業で皮を削ぐのが大変なんです。

──手作業とは手が混んでいますが、どのようなこだわりが?

世界大会に出す前、フランスにいた知人がレストラン爆破事件後に「出かけるときは今日死ぬかもしれないと思いながら出かける」と言ったのを聞いて悲しくなりました。日本にいたらそんなこと心配しないで暮らしていけるのに、自分には何かできないかな、無力だな、と思っていました。ある日、何気なく見ていたテレビでアスリートが手でハートを作っていたんです。9.11以降いろんな方が手でハートを作っているので、ハートって言語を超えて無事を祈る気持ちや優しさを表す意味があるのかも、と思ってマーマレードの中にハートを入れました。

自分の力ではテロをなくすことはできないかもしれないけど、手に取った方を一瞬ハッピーにできて、食べてるときもハッピーになって、自分が食べてもいいけど誰かを思ってプレゼントするとか、優しい気持ちにさせてくれる、そういうものを作りたいんです。

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──ほかにはどのようなマーマレードがありますか?

ハーブ入りのマーマレードがあります。アロマセラピストが作る「ハッピー・ビューティー・リラックス」をテーマにして作ったマーマレードです。
「ハッピー」はリフレッシュ効果のあるローズマリーやフェンネルをいれて、「ビューティー」はハイビスカス、ローズ、ローズヒップなどをいれて体の中からキレイに、「リラックス」にはオレンジやカモミールを入れています。
このマーマレードはパンにつければジャムになり、お湯に溶かせばハーブティとしてお飲みいただけるというものなんです。

その他に八幡浜に1本しかない樹齢100年を超える夏みかんの木から作ったマーマーレードもあります。数年前の寒波の時も枯れずに残った最後の1本を譲り受け、その木の夏みかんで作りました。酸味があるほうがゼリー状になるペクチン成分が多いのでマーマレード向きです。他にみかん、レモン、河内晩柑などからも作っていますし、まだラベルが出来てないだけで種類はこれからも増えていくと思います。

──お店の中はとてもいい香りが漂っています。マーマレード以外にもいろんな商品がありますね。

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みかんから香りを抽出して作ったフレグランス(香料)の香りです。リップクリーム、ハンドクリームにもみかんの香りを加え、オーガニックで作っています。石鹸やクレンジングオイルなどにもみかんの香りが入っています。

また、地元の柑橘の香りにこだわらず、アロマセラピストとしていろんな気分で選べる精油もブレンドしています。アロマ教室をやっていると、「香りが多すぎてどれを選んだらいいのかわからない」という声をよく聞くので目的別に選びやすいように作っています。あとは、来てくださった方が楽しんでいただける関連商品を置いています。

──みかんのコスメは愛媛土産としてもプレゼントとしても最適ですね。國分さんはみかんがお好きなんですね?

名古屋にいるときはみかんなんておいしいと思ったことがなくて、八幡浜に来たら皮が薄くて甘くて「こんなおいしいみかんは食べたことがない!」と感激しました。愛媛のみかんは全くの別物でした。種類も多いですしね。

──お店にもチラシが掲示してありますが「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」について教えてください。

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イギリスで毎年開催され、13年続いているマーマレードの世界大会があります。個人やお店で作ったマーマレードを品評してもらうもので、20点満点で採点されて賞を決めていきます。

イギリスでは柑橘が育たないので、冬にまとめて一年分の材料を輸入してマーマレードを仕込むというのが伝統的だったのですが、近年家庭で行われていた行事が廃れてきてしまったので、復活させるために世界大会が開催されるようになったそうです。

イギリスのほかにオーストラリアでも開催されていますが、2019年5月に愛媛県八幡浜市で日本大会を開催することが決定しました。2019年3月にはイギリスで世界大会が開催されます。

──なぜ数多ある都市の中から「八幡浜」が開催地に決まったのでしょうか?

私が2年前に参加した授賞式の時、その年のプレゼンターがイギリスの日本大使の方で、そこで参事官と知り合うきっかけになりました。日本でもマーマレードの世界大会を開催したいというイギリス側の意向を知り、帰国後、開催地が決まったかどうか聞いてみたところ「まだ決まっていない、探すのに苦労している」ということだったので、ぜひ八幡浜で!と思いPRしました。

愛媛県は日本の中でも柑橘王国であるし、とりわけ八幡浜は日本有数のみかんの生産地で種類も多く、たくさんみかんを作っているところなのでと推薦しました。市長さんをはじめ副市長さんや行政の方々も全面的にバックアップするとおっしゃってくださったので、応援体制もあるのでいかがでしょうか?とメールでアピールをしました。そうしたら、イギリス大使館から「窓口になってくださる方を紹介してください」と言われたので市役所に相談したところお話が具体的に進んでいきました。

──では、最後にホームページを見てくださる方々にメッセージをお願いします。

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向灘の段々畑

みかんはそのまま食べても美味しいですが、いろんな楽しみ方があるので常識にとらわれないでいろんなものに組み合わせて楽しんでいただきたいなぁって思います。

県外から遊びに来てくださった方にはむかいなだ(「みなっと」の対岸)のみかん山にお連れします。海からいきなり山が始まるその景色を見て「地中海に来たみたい」って言われる方もいます。ぜひ四国の地中海へお越しください。

──今日はどうもありがとうございました。本当にみかんが好きなんだなぁという思いが伝わってきました。マーマレードアワード日本大会に向け頑張ってください!

→ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会(2019年5月12日〜19日、愛媛県八幡浜市にて開催)はこちら

國分 美由紀さん(八幡浜市)

「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」実行委員会委員

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